料理撮影の業者選びのポイント その1

トンカツ_料理写真
プロのカメラマンに依頼したのに、美味しそうに写っていない!、インターネットで検索したのだが撮影業者の数が多すぎてどこに頼めばいいか分からない!こんな経験をお持ちではありませんか?
ここでは、どのような点に注目して撮影業者を選べばよいかを、プロの視点からアドバイスいたします。
 
Point1 広告・料理の専門スタジオ?
インターネットで、数多くの撮影業者が料理撮影・フード撮影をPRしています。中には専門とうたうものの、そうとは言い難い業者もたくさんあります。
ある著名な料理写真家は、”食物は「生きもの」である。”とゆう言葉をのこしました。食物は温かい・冷たい、揚げ具合、ゆで具合、柔らかさ・硬さ、光沢性、透明性、粉末状・液状・か粒状・・・といった状態が多様であり、かつ時間と共に変化します。形や色、質感も際限がありません。我々プロにとっても非常に扱いにくい被写体のひとつなのです。料理撮影は、特別な機材と経験・ノウハウが必要な専門性の高い分野であるとご理解下さい。
残念ながら関西地区では、料理・フードを専門に扱うスタジオは皆無に等しいと言ってもよいでしょう。広告写真を専門とするスタジオで、料理・フード撮影の経験が多いスタジオを探すのが現実的です。料理撮影サービスの運営会社が、人物系のスタジオ・ECサイト向けの写真撮影を行うスタジオ等の場合は要注意です。
 
Point2  撮影サンプルが豊富か否か?
HPの撮影サンプルの写真が美味しそうに見えない業者は論外として、撮影サンプルの数と内容にも注目してください。
一口に料理・フード写真といっても、その利用目的はさまざまです。メニューブック、パンフレット、ポスター、通販カタログ、折込チラシ、Webサイト、グルメ系情報誌、食品パッケージ、新聞・雑誌広告等々。撮影サンプルの数とその種類の多さは、経験が豊富なことを表しています。サンプル写真の数が極端に少ない業者、白い皿に盛られた料理写真ばかりの業者(飲食店のメニューしか経験していない証。)、雑誌の仕事が多いとうたう業者にはご注意下さい。
特に雑誌の経験を強調する業者は、問題が多いかも知れません。一流雑誌の撮影経験があるならまだしも、グルメ系の情報誌には、本当にプロの仕事?と思わせる写真が多く見受けられます。安いギャラや撮影時間等の条件の厳しさには同情しますが、荒っぽい仕事が身に染み付いているようでは困ります。
 

Point3 食品パッケージの撮影経験があるか否か?
食品パーケージの写真撮影は、撮影者にとってハードルの高いもののひとつです。企業・ブランドイメージ、個々の製品コンセプト等が明確になっており、デザインも事前に仕上がっています。現場に許される自由度は非常に少なく、数々の厳しい制約や注文が付いた上での撮影となります。
当然、食品メーカーの担当者、広告代理店の担当者、デザイナーなどが立会い、撮影・画像処理された写真の評価が現場で行われることになります。料理の具材ひとつひとつの配置に始まり、立体感、シズル感、照りのハイライトの調子など微妙に修正しながら、求められるイメージを実現してゆく作業となります。クライアントの要求を実現する高い撮影技術が要求されるのはもちろんです。加えて、食物は生きものであり刻々と状態が変化します。シズル感のピークとなる瞬間を逃さないために、ライティングひとつを修正をするにも瞬時の判断が必要となります。料理・フード撮影は、高度な経験とノウハウが必要な分野であることがお分かりください。

 

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